心の殺陣記 一日一題 3 忍者ブログ
[173]  [172]  [171]  [170]  [169]  [168]  [167]  [166]  [165]  [164]  [163
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

寝付きが悪いものだから、苦労していたら気付けば朝。
そのまま一日過ごし、21時くらいに。
飯を作る気にもなれず、創作をする気力も無く。
どうしようもなく眠かったので、少し眠ったら0時半でした。

つまるところ、寝坊!

さて、寝坊しつつ一日一題。実は題材を考えるのが一番しんどい。

なんか長いから、今日から畳もう。
2000字以下の制作なので、書く分には長いとは思いませんが…表示がね。




- タンクローリーの中の男 -

おい、そこのお前!

…そんなに怪しまないでくれ!いいんだ、少し話を聞いてくれるだけでいいんだ。
とにかく、この話。早く誰かに話してしまいたいんだよ。
『話さないと死ぬ系の話じゃないのか』って?バカ、オレがそんな迷信に踊らされるかよ!もっと怖いぞ!!

……あ、ああ、そんな嫌そうな顔をしないでくれ!なしなし、今のなし!!
頼むよ。ほんと、もう悪いことはしないって誓うからさ…!

………。

本当かい?
そりゃあ良かった…!
話し終わるまで、そこに居てくれ。大丈夫だ、大丈夫なんだよ。




あれは、そう。ほんの2~3日前の話だった。
オレはタンクローリーの運転手をやっているんだよ。
タンクローリーって何かわかってるか?油とかガスとか、そういうのを運ぶ車だ。尻デカ?ちげーよそれトラックミキサだよ!中身は生コンクリだよ!!

…まあ、知らなきゃいいんだ。オレは話を聞いて欲しいだけだからな。


で、オレは深夜の高速道路を走って、タンクの中身を輸送するのが主な仕事だ。
よく聞く話だろ?トラックの運ちゃんは、深夜の高速道路を走る!ってやつ。
…別に100キロババアの話を始めるわけじゃないぞ。何でいちいち茶々を入れるんだよ、黙って聞けよ。あ、いえ、聞いて下さい。


そんでさ。
オレ、その日は気持ちがすげー重かったんだよ。
鉛を胃袋に入れた感じっつーの?車を走らせたい気分じゃなかった。
でも、会社の頼み。お給料貰ってる身だ。そんな気持ち一つじゃ、どうにもなりゃしない。働かざる者食うべからず。


そんでまあ、オレは車を走らせる。
えぇーと…あれは大体、2時くらいだったかな?
2時3時って、車の往来がほとんど無いんだよ。増えだすのは4時辺りから…かな。

…そんな時に、外に人が、ましてや高速道路に…居るわけない、よな?





………居たっていうか、飛んでたんだけどな。





すげえ勢いだった。
“ヤツ”は山の向こうからやって来たんだ!
黒くて丸い――― ありゃあ、人間の頭だ。

オレ、一瞬何事かと思って、思わずブレーキ踏みそうになった。
けど、オレが踏んだのはアクセルだった。
咄嗟に、振り切ろうって考えがあったんだよ。

無駄だった。
“ソイツ”はタンクにかじりついたみたいで、いやこれはオレの妄想かもしんないけど…離れた気はしなかったんだ。
実際はよくわからなかった。でも、ド、と汗が出た。
『頼むから離れてくれ!』って思った。

オレ、半狂乱になりながら、高速道路を無我夢中で走ったよ。
危ないとかそんなもの、全く考えなかった。
止まる方が危ないって思った。

だって、背中からガリガリ音がするんだ。

“ヤツ”が歯でタンクを削る音がするんだ。


それもすごい音で。とんでもなく大きな音で!!



ガリガリガリ、ガリガリガリガリ、ガリガリガリ!!!






………。



ははは。


………だから、言ったろ。もう、悪いことしないって………。





タンクの中には、“ヤツ”の頭から下が入ってたんだよ。
今はもう無いけどな。

ああ、いや、燃えちゃったんだよ。多分、粉微塵になったんじゃないかな。


………ははは。


だから、お前に話しかけてんだろ。



………ははは。別に、どうってことはないさ。
やっぱり、悪いことはするもんじゃあないよなあってだけさ。





なあ、聞きたいんだけど。
お前の目にオレはどう映ってる?





―――…そっか。





話聞いてくれて、ありがとな。
どうにかなっちまいそうだったんだ。一人きりで、怖くて、仕方なかった。



首無くても、喋れるとは思わなかったなあ。





*/*/*/*

御題を考えるのが大変だ!と前述にありますが、
題材を考えるのがしんどかったもんで、丁度MSNに居た符さんに「何か御題をくれ」って言ったら、符さんは一言。


「風花、夏至、タンクローリー」


……それなんてうちの従弟!



でも、一番タンクローリーが思い浮かび易かったのでした。
多分タンクに死体を詰めることはできないと思うのですが、
できたとしてもできなかったとしても、許して下さい。

なんか3回続けて暗いので、次こそ明るい話を書くんだ。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<< 一日一題 4 HOME 一日一題 2 >>
10 2024/11 12
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[01/10 vmcdlyvxam]
[01/10 qunslvpper]
[01/08 udfygkuicp]
[01/06 kccydoelaq]
[09/01 もちこ]
最新トラックバック
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]