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上野動物園に行って来ました。
コアリクイとヤマネの可愛さに悶え死んだ。
コアリクイとヤマネの可愛さに悶え死んだ。
- 咎 その4 -
空色の髪の毛は、さらさらでキレイ。
ふんわりとしたスカートを風になびかせ、派手ではないけれど、ネックレスやブレスレットをおしゃれに見にまとっている。
純白の羽根は彼女の血を証明するものだ。きっと誰もが振り返る。
けれど、彼女の最大の魅力は、そういった“付属品”ではない。
誰に対しても屈託なく笑い、泣きたい時にはしっかりと泣いてしまう。
そんな純粋な喜怒哀楽を100パーセント発揮してしまうところ。
彼女は決して強くない。むしろ、力はとんでもなく弱かった。
当然だ。彼女の生い立ちは平凡である。
親が、百勝無敗の戦士であるとか強大な魔術師であるとか、全てを癒す司祭というわけでもない――― 酒場を経営する両親は、極めて普通の、一般人だ。
彼女は『街の人を守りたい』と自警団に所属するも、自警団の足は引っ張るし、相棒の足どころか脛までかじった。
そんな彼女にとって、果たして“咎”というものは何だろうか。
酒場の酔っ払いは、彼女に問い掛ける。
すると、酒場の看板娘兼踊り子の彼女は首を傾げて言う。
「“咎”って、何なのですか?」
彼女は頭も良くなかった。
酔っ払いはゲラゲラ笑って、簡単な説明をしてやった。
きっと彼女は、その1割しか理解をしていない。
傾げていた首を「うん」と縦に振り、彼女――― ルザナリク・ウィーアは、お盆を抱えたまま笑った。
「…何だか、トゲトゲしいのです!」
酒場に、寂しげな風が吹く。
ルザナリクはにこにこと笑ったまま。
酔っ払いは酒を飲む手を止めたまま。
ずれずれな看板娘は、なおも続ける。
「おじさんの言うこと、私にはよくわからないのです。
でも聞いたかんじ、私には縁が無さそうな話ですねー。
私、ふつーにお父さんとお母さんのお手伝いをして、こうしてお客さんと話をして、幸せに暮らしているのですよ?
そんな難しい話は、きっと私には、関係の無いことなのです」
それはもう、あっさりと。
「………」
「………」
「……ぶあはははは!!!そいつぁいいや!!!」
酔っ払いは大爆笑。
上機嫌ついでにツマミを頼み、ルザナリクは踊るようにステップを踏みながら、店の奥へと引っ込んでいった。
「お客様、上機嫌ですね」
入れ替わるように、酔っ払いに声を掛けたのは、ルザナリクの母親だった。
顔立ちはよく似ていて、しかし知性を感じさせる物腰である。
そこは全く似ていない――― 麦酒をあおりながら、酔っ払いは思う。
「滅茶苦茶ずれた嬢ちゃんだよな、アンタんとこの娘」
「ふふふ、面白いでしょう?」
「ああ、とても。あんたが女神サマなら、嬢ちゃんは天使だな」
「それは、翼とかけているのかしら。何にせよ、ルシィを勝手に彼の世へ召しちゃ、ダメですからね?」
めっ、と子どもにダメ出しをするかのように、酒場の女将は酔っ払いを叱る。
「ルシィは、私達の自慢の娘なんですから」
叱られているはずなのに、酔っ払いの顔は、どこか嬉しそうであった。
*/*/*/*/*
Battle Interfaceの自キャラ、ルザナリク・ウィーアを主軸に。
なんだかんだ、彼女のことを話として書くのは、初めてのような?
どこまでも平凡で、どこまでも純粋に。
もしかしたらそれが彼女の咎なのかもしれないけど、
彼女が気付いていないから、彼女は真っ白なのです。
装飾の民エミューラを選択したので、羽根が生えております。
“笑顔”の表情を描いた絵は、ルシィが最多だろうなあ。
というわけで、これにて“咎”は終了。
明日からはまた考えるか…。御題は引き続き、募集しています。
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