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3/10~11に奈良へ行ってきます。
憧れの『亦復一楽帖』を見に!!!!!
姉に「こういうのを、ミーハーって言うのかな?!」と尋ねてみたら、
「ちょっと、大分、違う」と言われました。違うのか…。
そう言えば、ついった始めました。
いや始めてたんだけど、使い方よくわからなかったから、使ってなかっただけで。
ttp://twitter.com/kugai_18
これで登録しています。
よくわからないのですが、フォローはご自由にどうぞ。
たまにこちらからもフォローしていることがあります。
独り言多いので、よく適当なことを呟きます。
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姉に「こういうのを、ミーハーって言うのかな?!」と尋ねてみたら、
「ちょっと、大分、違う」と言われました。違うのか…。
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- アマイモノ 前編 -
ヒマだった。
途方に暮れるほどに、ヒマだった。
やりたいゲームも遊び尽くしたし、精霊界には人間界のような娯楽施設も無い。
ベッドの上をごろごろ。二転三転。特に意味は無い。
ヒマは人を殺せると思う。
俺はまだ死にたくないので、むくりとベッドから起き上がった。
こういう時は、友人を訪ねるのが一番だ。
精霊界の廊下は無機質で真っ直ぐで、面白くない。
そんな通路をだらだらと歩く気にもなれないから、
「よい、せっ」
窓に足を掛ける。
窓のすぐ下には、人一人がギリギリ通れるくらいの、足場がある。
俺はそこに足を下ろすと、友人の部屋の窓を目指して歩きだした。
「ああ、ごめん。ちょっと今から、出なきゃいけないんだよ」
窓に掛けた足を下ろす前に、そう言われた。
友人は少し困った顔をしている。
「あと、窓伝いは危ないって、いつも言ってるだろ」
そう言われて、でも俺は、足を下ろす場所に困っていた。
友人はやっぱり、少し困った顔をしていた。
だから俺は、友に尋ねた。
「俺も行っていい?」
精霊界を治める自然の主――― しゅうは、いつでも多忙だ。
俺は、しゅうとは随分と長い付き合いをしている。
けれども、彼と遊んだ記憶はほとんど無い。
たまにはハメを外さないといけないだろう、と思っているし、言っている。
しかし悲しいかな。
幼い頃から小さな身体に背負った重圧を取り去る術を、彼は知らないのだ。
せめて何かしてやれないかと思うけれど、俺にはできることがほとんど無い。
俺はバカだし、術も上手く操れない。戦力外に等しい。
どちらかと言えば、しゅうのお荷物状態で、彼に呆れられることもしばしばだ。
何かしようと思って彼の側に行くけれど、結局助けられてしまうことが多い。とても悔しい。
今も、その“お荷物状態”なんだけどさ。
「そこ、滑りやすいから」
「えっ」
言われた瞬間、俺は前のめりになった。
しゅうが慌てて駆け寄ろうとするが、幸いにも咄嗟に出した右腕が、側にあった木に触れた。
なんとか体勢を立て直しつつしゅうを見ると、彼はほっと、息を吐き出していた。
「気を付けて」
「おう」
まったく、なんだって、テムレクトはこんな足場の悪い土地に住んでいるんだ。
普段は大樹の中に引きこもっているらしいけれども、
いっぺん外に出て歩いて、来訪者の苦しさを味わってみたらいいんじゃないか。
と思うのは、もしかしたら俺だけなのかもしれない。
目の前の友人はひょいひょいと歩いていく。
俺に合わせて遅く歩いてくれているみたいだが、先程から足に迷いが無い。
きっと、俺が居なければ、もっと早く、目的地に辿りつけた。
「うおうっ!!?」
ガクンと、つかえる感覚。
余計なことを考えていたら木の根元に足元をすくわれた!
そのまま地面に激突!湿った土を顔につけて……。
「気を付けろって、言ったばっかじゃないか…」
「……す、すまん。ありがとう…」
……と思っていたら、つまづいた木の根が伸びて、俺の身体を支えてくれていた。
ありがたいことに、しゅうが助けてくれたようだ。ありがとう。反射はえー。
黙々と歩いて、20分程経ったろうか。
ようやくテムレクトの根城に到着した。
とんでもない疲労感が、俺の身体を支配している。
体力には自信があるのだが、足元に気を配りながら20分も歩くと、そりゃ疲れるよな…。
「ほら、早く」
木の中から手招く友人はケロッとしていた。
「………」
俺は不気味に拡がった木の穴に手を掛けると、中へと足を踏み入れる。
内部は真っ暗で、でも木の匂いが充満していて、改めてここが“木の中”なのだと思い知らされた。
こんな所に年中住んでいたら、木と一体化してしまいそうだ。
「テム」
真っ暗な廊下を歩いて階段を下りると、今度は淡い光が目を刺す。
細めた目に映ったのは、俺よりも薄い色の金の髪。木の椅子に腰掛けて、紫色をまとった女。
テムと呼ばれたその女性は、テムレクトという…300歳を軽く超えた老婆だ。
…見た目は20代後半の美女なのだけれども。
「しゅう、遅かったな。…セイを連れて」
「ついて来たいって言ってたから。そんなに大事な話じゃないし、良いかなって思って」
ふ、とテムレクトが、俺を見る。
いつもは一瞥するだけなのだが、今日はなぜだか微笑まれた。
「ふむ…良い。良いぞ。丁度良かった」
何かよくわからないことを言われている。
しゅうも首を傾げていて、意味がわかっていないようだ。
「しゅう、早目に話を終えようぞ。わしはセイに、用事ができた」
この言葉に、俺としゅうは更に首を傾げた。
けれどもどこか、悪い予感が、俺の背中につきまとっていた。
*/*/*/*/*/*
長くなるので後編に続く。
もう一日“一題”じゃないね!これね!ごめんね!
ヒマだった。
途方に暮れるほどに、ヒマだった。
やりたいゲームも遊び尽くしたし、精霊界には人間界のような娯楽施設も無い。
ベッドの上をごろごろ。二転三転。特に意味は無い。
ヒマは人を殺せると思う。
俺はまだ死にたくないので、むくりとベッドから起き上がった。
こういう時は、友人を訪ねるのが一番だ。
精霊界の廊下は無機質で真っ直ぐで、面白くない。
そんな通路をだらだらと歩く気にもなれないから、
「よい、せっ」
窓に足を掛ける。
窓のすぐ下には、人一人がギリギリ通れるくらいの、足場がある。
俺はそこに足を下ろすと、友人の部屋の窓を目指して歩きだした。
「ああ、ごめん。ちょっと今から、出なきゃいけないんだよ」
窓に掛けた足を下ろす前に、そう言われた。
友人は少し困った顔をしている。
「あと、窓伝いは危ないって、いつも言ってるだろ」
そう言われて、でも俺は、足を下ろす場所に困っていた。
友人はやっぱり、少し困った顔をしていた。
だから俺は、友に尋ねた。
「俺も行っていい?」
精霊界を治める自然の主――― しゅうは、いつでも多忙だ。
俺は、しゅうとは随分と長い付き合いをしている。
けれども、彼と遊んだ記憶はほとんど無い。
たまにはハメを外さないといけないだろう、と思っているし、言っている。
しかし悲しいかな。
幼い頃から小さな身体に背負った重圧を取り去る術を、彼は知らないのだ。
せめて何かしてやれないかと思うけれど、俺にはできることがほとんど無い。
俺はバカだし、術も上手く操れない。戦力外に等しい。
どちらかと言えば、しゅうのお荷物状態で、彼に呆れられることもしばしばだ。
何かしようと思って彼の側に行くけれど、結局助けられてしまうことが多い。とても悔しい。
今も、その“お荷物状態”なんだけどさ。
「そこ、滑りやすいから」
「えっ」
言われた瞬間、俺は前のめりになった。
しゅうが慌てて駆け寄ろうとするが、幸いにも咄嗟に出した右腕が、側にあった木に触れた。
なんとか体勢を立て直しつつしゅうを見ると、彼はほっと、息を吐き出していた。
「気を付けて」
「おう」
まったく、なんだって、テムレクトはこんな足場の悪い土地に住んでいるんだ。
普段は大樹の中に引きこもっているらしいけれども、
いっぺん外に出て歩いて、来訪者の苦しさを味わってみたらいいんじゃないか。
と思うのは、もしかしたら俺だけなのかもしれない。
目の前の友人はひょいひょいと歩いていく。
俺に合わせて遅く歩いてくれているみたいだが、先程から足に迷いが無い。
きっと、俺が居なければ、もっと早く、目的地に辿りつけた。
「うおうっ!!?」
ガクンと、つかえる感覚。
余計なことを考えていたら木の根元に足元をすくわれた!
そのまま地面に激突!湿った土を顔につけて……。
「気を付けろって、言ったばっかじゃないか…」
「……す、すまん。ありがとう…」
……と思っていたら、つまづいた木の根が伸びて、俺の身体を支えてくれていた。
ありがたいことに、しゅうが助けてくれたようだ。ありがとう。反射はえー。
黙々と歩いて、20分程経ったろうか。
ようやくテムレクトの根城に到着した。
とんでもない疲労感が、俺の身体を支配している。
体力には自信があるのだが、足元に気を配りながら20分も歩くと、そりゃ疲れるよな…。
「ほら、早く」
木の中から手招く友人はケロッとしていた。
「………」
俺は不気味に拡がった木の穴に手を掛けると、中へと足を踏み入れる。
内部は真っ暗で、でも木の匂いが充満していて、改めてここが“木の中”なのだと思い知らされた。
こんな所に年中住んでいたら、木と一体化してしまいそうだ。
「テム」
真っ暗な廊下を歩いて階段を下りると、今度は淡い光が目を刺す。
細めた目に映ったのは、俺よりも薄い色の金の髪。木の椅子に腰掛けて、紫色をまとった女。
テムと呼ばれたその女性は、テムレクトという…300歳を軽く超えた老婆だ。
…見た目は20代後半の美女なのだけれども。
「しゅう、遅かったな。…セイを連れて」
「ついて来たいって言ってたから。そんなに大事な話じゃないし、良いかなって思って」
ふ、とテムレクトが、俺を見る。
いつもは一瞥するだけなのだが、今日はなぜだか微笑まれた。
「ふむ…良い。良いぞ。丁度良かった」
何かよくわからないことを言われている。
しゅうも首を傾げていて、意味がわかっていないようだ。
「しゅう、早目に話を終えようぞ。わしはセイに、用事ができた」
この言葉に、俺としゅうは更に首を傾げた。
けれどもどこか、悪い予感が、俺の背中につきまとっていた。
*/*/*/*/*/*
長くなるので後編に続く。
もう一日“一題”じゃないね!これね!ごめんね!
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