心の殺陣記 一日一題 14 忍者ブログ
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える、しっているか

一日一題は実は3回お休みしている。


そしてこれは一昨日の分ー!!!

ネタが尽きてるともいうんだよ!!発想力が貧困だとダメね…!


投稿フォームの「漫画チャット」が「俺今日カレー食べた」ってどや顔で言っててムカつきます。こいつ!




- 星の魔術師 -

「はーい!そこの坊や、お元気にしていたかな?」

暗い部屋に似つかわしくない、明るい声だった。

流星群が、街の空を埋めつくす。
降り注ぐ星を見ようと楽しみにしていたぼくは、
少し不用心かもしれないけれど、部屋の窓を開けていたんだ。

……開けておくんじゃなかった。


紫色の大きな山高帽子に、同じ色のドレス。傍らには竹の箒。
突然、窓に現れたその女の子を形容するならば…誰しもが“魔女”と言うだろう。

「あれあれあれ?坊や、私に見覚えは無い?」

見覚えがあれば、今ぼくの手には携帯電話は握られていない。
えっと、不審者通報って110番だったよね?

「あわわちょっと待ってよお」

魔女の格好をした女の子、ぼくの手をぎゅっと握る。
ひやりと冷たい手だった。

「え、え、えー。小さい頃言ったじゃん、10年後の流星群の時、私と一緒にお喋りしましょうって」

全く記憶にない。
というか、ぼくの年齢は現時点で14歳なわけで。
例えそんな約束をしていたとしても、4歳の頃の記憶が残っているはずもなく。

「やだもー。これだから人間って薄情だよねっ!」

そんなことはお構いなしに、目の前の女の子、腰に手をあてて怒っている。薄情なんて言われても、知らないものは知らない。

「ま、覚えてないなら仕方ないや。さ、座って座って!」

ぽんぽんとベッドを叩きながら。
ベタだけど、そのベッドはぼくのベッドだよ。



ぼくはやれやれと、女の子の隣に腰をおろした。
ただの変なコスプレイヤーか何かだろうと思っている辺り、ぼくはやはり不用心なのだろう。

「ふふふ、良い子でよろしい」

彼女はぼくの頭を撫でる。
手はやはり、冷たい。

「今日の流星群、私とても楽しみにしていたんだよ」

ぼくも楽しみにしていたのだけれども、あなたのせいでぶち壊しです。
ぼくが黙っていると、紫色の瞳がぼくを覗き込んだ。

「……そっか、覚えてないんだよね」

ちょっぴり、残念そうな顔をする。
そんな顔をされても、ぼくにはどうしようもない。
今更『あ、思い出したよ』なんて声をかけるわけにもいかないし、
そんな嘘を吐いたところで、余計に彼女を傷つけるのはわかっていた。


「………」
「………」


ぼくが何も言わないのを見て、彼女はどうやら諦めたらしい。
窓の外に視線を向けて、何も言わなくなった。


そのままぼんやりと、流星群を見る。


「………」
「………」


窓の外では、キラ、キラ。
数分に一度だけ、星が落ちるのが見える。
ずっとそれを凝視するのも飽きてきて、ぼくはふうと息を吐いた。


「疲れちゃったね」


声の方に顔を向けると、彼女は笑っていた。


「星、降らないもんね」
「……そうだね。もっと、降ればいいのに」
「できるよ」

ギュン、と風がひどく唸る音がした。
彼女は竹の箒にまたがり――― 空を飛んで。
ぼくが驚いて口を開けていると、彼女は大空の下で両手を広げて



「これからが本番だよ!さあ、見ててごらん!!」






「空、空、お星様!坊やのために、たくさん降り注いでよ!星の魔術師、今ここに、願います!!」






一瞬辺りが、眩しくなって。

ぼくは思わず目を瞑った。




キラ、キラ!
キラキラ、キラキラキラ!!



「わあ…!!」

思わず声が出る。

次々と降って来る流星群は、それは本当に、本当にキレイで―――!!


彼女、本当に魔女だったのか!?
慌ててぼくは、お礼を言おうと窓に駆け寄る。

けれど、そこには彼女の姿は無くて―――。




「ありがと、坊や。流星群みたいに輝く君の瞳、大好きだよ」




空から明るい声、降って来たんだ。



*/*/*/*/*/*/*

2004年に描いた「魔術師」。
関連性無く魔術師を6~7人描き散らして、絵を日記にのっけてただけなのですが、さっき突然「これって物語のテーマにならないかな」と思って描いてみた。






“星の魔術師”
星を操る魔術師。見た目はモロ魔女。
6人居る内、最も明るくてイイコちゃん。

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