心の殺陣記 一日一題 13 忍者ブログ
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臨書したの忘れてて、用具用材墨つけっぱで一日放置してた。



………あるまじき行為………。


聖筆、助からないかもしれない。




- 言霊 -

言の葉というのは、恐らくは人類がもつ、最も手軽で最も効果の大きな魔術である。

軽い気持ちで口にした言葉。それが、どれだけ相手を傷つけるか。
何も考えずに口にした言葉。それが、どれだけ相手を救うか。

それは言葉の受け手によって変化する。
人を笑わせる言葉が笑って流せる言葉に、笑って流せる言葉が致命的な言葉に。


少女は、怯えていた。
あまりのことに…疲れてもいないのに、息が苦しい。胸が苦しい。苦しい苦しい苦しい!!!
陸に打ち上げられた魚のように、少女はぱくぱくと口を動かす。
けれどそれだけでは、なぜか息はできなかった。

真っ白な頭の中。
かつて、少女の知り合いであった、奇妙な格好の男を思い出す。



『人に向けて、絶対に“死ね”なんて言っちゃいけないよ』



その言葉は、少女にとっては“笑って流してしまう言葉”だった。
“死ね”と言われ、真に受けて“死ぬ”人間は居ないだろう。
同じ年の子どもなんて、皆冗談で言う言葉だ。真に受ける方がバカだ。

そう、思っていた。


……あの時、きちんと言うことを聞いておくんだった。そうするべきだった!

今は、後悔の気持ちしかない。


まさかまさか、本当に。





泣きたくなった。
泣いてしまえば、きっと全部許される。自分の中で、自分は許されるんだ。
そしたら忘れられる。辛いこと苦しいこと、全部全部忘れられる。


だから、まだ甘えたい盛りの少女。
屋上にうずくまって、泣くことにした。

しくしくわんわん、泣くことにした。
そうすればきっと誰かが助けてくれる。
小さな頃、泣いていたらお父さんとお母さんが、頭をなでてくれたでしょう?









地上では、少女と顔が似た――― 彼女の妹が、くちゃくちゃになって倒れていた。



*/*/*/*/*/*

数年前にあらすじだけ考えて、それだけで終わっちゃった話を元に。
記憶喪失の少女と、奇妙な格好をした言霊使いの話でした。多分…。

年下の女の子と、奇妙な男のペアセットが書き易くて良いです。
逆はあんまりない。今度考えてみようかなあ。


ところで、ロリババアって聞くけどショタジジイってあんまり言わないよね。

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